リアルダンサーズ一問一答 女性器編②
おもちゃを使っているとあそこが馬鹿になる?
ローターやバイブレーターなどのアダルトグッズは、セックスにおいてたいへん便利なツールです。一定のリズムで刺激を与えられるため、これを使うことで女性がオーガズムに達しやすくなるからです。セックスにまつわるさまざまな事象を研究する性科学会でも、学会が開かれるときには難しい専門書籍と並んで、こうしたアダルトグッズが多数、紹介されています。上手に取り入れることができれば、セックスライフに変化と新鮮な刺激をもたらせます。
けれど、近年流行が続いている、電気マッサージ器 (電マ) のような刺激が強すぎるものは、使い方に細心の注意が必要です。強烈な振動で、クリトリスがしびれたような感覚に陥るときがあるからです。ただし、過度の刺激を与えてもクリトリスや膣などの女性器が、しびれたままでいるということはありません。女性器というのはそれほど軟弱なものではないのは、出産を考えるとよくわかります。
絶叫するほどの痛みに耐えながら赤ちゃんを送り出すのが、女性器の大事な使命。無事に産み落とした後は、女性器全体が麻痺し、自分で尿意もわからないぐらいになる人もいます。歯医者で麻酔を打たれ、その感覚が治療後もしばらく消えないのと似ています。感覚を検知するレセプター自体がダウンしてしまった状態です。それでも、時間が経てばレセプターは復活し、すべての感覚が元に戻ります。
ということは、電気マッサージ器やそのほかのアダルトグッズの刺激が強すぎても、女性器が鈍感なままでいるということはありませんし、緩くなってガバガバになることもありません。それについては安心してもいいのですが、その一方で、しびれるような感覚は女性にとって心地よいものではないことは、覚えておいてください。
過激な振動を受け止めながら、快感ではなく痛みで顔をゆがめている人もなかにはいるでしよう。そもそも女性をオーガズムに導くのに、それほどまでに強い刺激はいりません。ソフトな振動でじんわり愛撫したほうが、女性は感じるんですよ。
上付きと下付きでは体位によって感じ方が違う?
女性器の特徴を示す上付き、下付きという言葉を聞くと、いつも不思議な気持ちになります。というのも、両者を区別しているのは、日本だけだからです。医学の現場で問題になることはありませんし、世界の性科学でテーマになっているのを見たこともありません。
上付きは膣ロと肛門のあいだが長く、下付きは短いものを指すようです。私は産婦人科医として数えきれないほどの女性器を診察してきましたが、位置に差があるとしても1cm未満です。下付きの人は、出産のときに会陰が裂けるだけでなく、傷が肛門まで達することがあります。出産後に少し大変だとしても、いずれ治るものです。それぞれ感じる体位が違うという説もあるようですが、例えば正常位にしても、腰の下に枕を置くなど、脚を上げる角度をわずかに変えることで調整できます。上付きだから後背位はダメ、下付きだからこの体位がイイと決めつけるのは、意味のないことです。
ほかの男とセックスしたら、膣の形が変わる?
男女はさまざまな方法で、お互いを自分だけの彼、彼女と確認しあいたいもの。結婚指輪や一緒に撮った写真ならほほえましいですが、女性の膣はパートナーの男性のペニスによって変形するという考えまでに発展すると、笑止千万です。トイレの盗撮動画で女性の陰部をよく見たことがある人は想像できるかもしれませんが、たしかに、女性の膣はとても柔軟にできています。出産では赤ちゃんが通過するため大きく広がり、その後は何ごともなかったかのように戻ります。だからといって、受け入れたペニスの形をまるで型を取ったようにキープしたり、大きいペニスの人とセックスしたからガバガバになったりということは、断じてありません。第一、セックスのとき男性はピストン運動でペニスを出し入れしているのに、どうやって膣に形を刻印できるのでしょう。こんな荒唐無稽な説を信じて、浮気の証拠として突きつけようとしている男性がいたら、ピュアなのか幼稚なのか、どちらにしろ、ロにした瞬間、女性に笑われてしまいますよ。